点検方法の改正について

KAISEI

自家発電設備の点検方法が改正されました。

改善前の問題点

負荷運転実施の際、商用電源を停電させなければ実負荷による点検ができない場合がある。また、屋上など自家発電設備が設置されている場所によっては疑似負荷装置の配置が困難となり、装置を利用した点検ができない場合がある。
これらの問題を解消するために、従来の点検方法の在り方を科学的に検証し、改正を行いました。
発電機の点検

改正のポイントは大きく4つあります!

1.負荷試験に代えて行うことができる点検方法として、内部観察等を追加

総合点検における運転性能の確認方法は
負荷運転のみ
負荷運転または内部観察等
内部観察等の点検は、負荷運転により確認している不具合を負荷運転と同水準以上で確認でき、また、排気系統等に蓄積した未燃焼燃料等も負荷運転と同水準以上で除去可能であることが、検証データ等から確認できました。

2.負荷運転及び内部観察等の点検周期を6年に1回に延長

負荷運転の実施周期は
1年に1回
運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられている場合は6年に1回
負荷運転により確認している不具合を発生する部品の推奨交換年数が6年以上であること、また、経年劣化しやすい部品等について適切に交換等している状態であれば、無負荷運転を6年間行った場合でも、運転性能に支障となるような未燃料等の蓄積は見られないことがデータ等から確認できました。

3.原動機にガスタービンを用いる  自家発電設備の負荷運転は不要

負荷運転が必要な自家発電設備は
すべての自家発電設備に負荷運転が必要
原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要
原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の無負荷運電は、ディーゼルエンジンを用いるものの負荷運転と機械的及び熱的負荷に差が見られず、排気系統等における未燃燃料の蓄積等もほとんど発生しないことが、燃料消費量のデータ等から確認できました。

4.換気性能点検は不可試運転時ではなく、無負荷運転時等に実施するように変更

換気性能の点検は
負荷運転時に実施
無負荷運転時に実施
換気性能の確認は、負荷運転時における温度により確認するとされていましたが、室内温度の上昇は軽微で、外気温に大きく依存する為、温度による確認よりも、無負荷運転時における自然換気口や機械換気装置の確認の方が必要であることが、検証データ等から確認できました。

内部観察等とは?

1

過給器コンプレッサ翼及びタービン翼ならびに排気管等の内部観察

2

燃料噴射弁等の動作確認

3

シリンダ摺動面の内部観察

4

潤滑油の成分分析

5

冷却水の成分分析

予防的な保全策とは?

  • 予熱栓、点下栓、冷却水ヒーター、潤滑油プライミングポンプがそれぞれ設けられている場合は1年ごとに確認が必要です。
  • 潤滑油、冷却水、燃料フィルター、潤滑油フィルター、ファン駆動用Vベルト、冷却水等のゴムホース、パーツ事に用いられるシール材、始動用の蓄電池等についてはメーカーが指定する推奨交換年内に交換が必要です。

予防的な保全策を講じている場合の負荷運転または内部観察等の実施期間シュミレーション

負荷運転実施期間シュミレーション
参照元:総務省消防庁HPより

自家発電設備の点検基準

機器点検
半年に1回
①設置状況
⑦計器類
⑬接地
②表示
⑧燃料容器等
⑭指導性能
③自家発電装置
⑨冷却水タンク
⑮運転性能
④始動装置
⑩排気筒
⑯停止性能
⑤制御装置
⑪配管
⑰耐震性能
⑥保護装置
⑫結線接続
⑱予備品等
機器点検
1年に1回
①接地抵抗
②絶縁抵抗
③自家発電装置の接続部
④始動装置
⑤保護装置
⑥負荷運転または内部観察等

〇自家発電設備の点検は改正された項目以外にも、上記の項目を実施する必要があります。
〇自家発電設備の点検及び整備は必要な知識及び技術を有するものが実施することが適当です。